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 虫にーにー、南米で巨大昆虫に遭遇!2025/06/23

今回は巨大昆虫特集です!

南米といえば巨大昆虫、巨大昆虫といえば南米。子供達と、子供心を忘れ損なった一部の大人を惹きつける魔力が南米のジャングルにはありますね。有名どころでいえば、世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトは南米出身です。

では、滞在中に出会った巨大な昆虫をまとめてご紹介します!

まずはコレ。

世界一翅が長いガ、ナンベイオオヤガです。手の大きさと比べるとどれほど大きいのかが一目で分かりますね。

翅の面積での世界最大のガはオーストラリアにいるヘラクレスサンですが、こちらは翅を広げた長さ、つまり前翅開長で世界最大のガです。この個体はライトトラップに飛んできたものですが、バナナを使ったトラップにも引っかかりました。

西表島にいるヨナグニサンというガもかなり大きく、初めて見た時はびっくりしたものですが、こいつもそれに劣らず大きいです。

 

リボンヤママユの仲間です。尾状突起(翅の後ろに伸びたヒラヒラの部分)の長さは世界最長級。このヒラヒラは、コウモリに攻撃された時にオトリとして使う意味があるようで、実際に飛んできたこのガの多くはヒラヒラが破けて短くなっていました。

 

世界最大級のアリ、サシハリアリ。学名からパラポネラ、刺された時の痛みから英語ではバレットアント(弾丸アリ)とも呼ばれています。

大きさは3センチほど。ですがその痛みは強烈らしく、あらゆるアリ、ハチの中で一番痛いとも言われています。手の上に乗せて大きさが伝わる写真が撮りたかったんですが、刺されると24時間は治らないというその痛み。手に乗せる勇気はありませんでした。

 

世界最大のカミキリムシ、タイタンオオウスバカミキリ!今回の旅行中で一番嬉しかったのが、この虫を見つけたことです!

純粋な大きさでは同じく南米にいるオオキバウスバカミキリに次ぐ二位の大きさですが、顎を除いた胴体の大きさでは世界最大。ちなみに、この胴体の大きさだけなら、あの有名なヘラクレスオオカブトを抜いて甲虫最大の大きさだったりもします。

ギアナはこのカミキリが安定して採れる場所です。とはいえその数は少なく、1週間滞在して一回見られたらいいかなといった感じですが。シーズン的にも雨季である1月がベストで、わざわざ雨の多く蝶が飛びづらいこの時期に来たのは、コイツが最大の目標だったからです。

このタイタンは13センチほどと、タイタンの中ではやや小さめ。最大で16センチを超えるものもいるようです。

裏側はちょっと苦手な人が多いかもしれませんね……

このカミキリムシはギアナでも貴重な虫。1人で1匹しか持って帰ることができません。とはいえ、今回の旅行の最大の目的だった虫をゲットできたので、ほっと肩の荷が降りた気分でした。

巨大カミキリその2。ウスバカミキリの仲間です。

こいつもなかなかの大きさです。西表島にも日本最大級のカミキリムシがいますが、それよりも大きいです。

 

こちらは世界で一番重いカブトムシの仲間、アクテオンゾウカブトです。名前の通り象のような体重と迫力のあるカブトムシ。標本になってなおずっしりと重い感触が伝わってきます。

僕の世代は、子供の頃が「ムシキング」というアーケードゲームのブーム真っ只中で、男の子の間では社会現象になるほど流行りましたから、当時はまさか憧れていた巨大カブトムシをこの手で採る時が来るとは思ってもいませんでした。感無量です。

 

昆虫ではないですが、ついでもう一つ。世界最大のクモ、ルブロンオオツチグモ。日本ではペットとしてゴライアスバードイーターという名前で流通していたりもします。要はタランチュラですね。

しっかり毒グモなので、噛まれないように注意が必要です。また、危険を感じると腹の毒毛をこすり落として風に乗せて攻撃もしてきます。この毛が目や鼻に入ると激痛らしいです。

 

雄大なアマゾン川の森、日本ではお目にかかれないような巨大昆虫がたくさん見つかりました。

次回は、美しいモルフォチョウを筆頭に、昼間に捕まえたチョウをご紹介したいと思います。

 虫にーにー、ついに憧れの南米へ!2025/06/05

今年の1月、2月にとった冬休みで、ついに子供の頃から憧れだった南米のアマゾン川流域へ行ってきました!

とはいっても、よくテレビで特集されるような広い川、原住民、ピラニア、といった感じとは少し違います。同じアマゾンでもブラジル、ペルーといった国ならばそういった経験もできますが、今回訪れたのは仏領ギアナという国。

仏領ギアナ、フレンチギアナと呼ばれることもある南米の国ですが、ほとんどの人は聞いたことがないと思います。検索しても、日本人が訪れたブログなどはほとんどヒットしません。ただこの国は虫好きの中では割と有名で、南米で虫を見るならまずここ、とオススメする人も多いです。

実際、南米大陸にありながらフランスの海外県という扱いですから、南米の他の国より物価は高いですが治安はいいです。とてもお手軽にとは行きませんが、海外旅行の初心者が南米のいろいろな昆虫に出会うにはもってこいの国です。

 

今回も、例年と同じように有休を使い、社長にゴマを擦りながらお願いしまくることで3週間の休みを生み出しました。その休みを利用して、せっかく憧れのアマゾンに行くのに短期間ではもったいない合計12泊の滞在を決意。社会人になって毎年数週間の休みが取れることに感謝。夏の間で必死に働いたかいがありました。

 

出発日、まずは石垣島から東京に出る必要があります。

ギアナまでの飛行機はパリ経由のものがあるので、乗り換えも楽です。楽とはいえ、東京からパリまで15時間、そこから飛行機を乗り換えて仏領ギアナの首都カイエンヌまで7時間ですから、人生で一番長い旅路となりました……。

 

首都、カイエンヌの空港に到着。石垣空港くらいの大きさで、意外とキレイでしっかりしています。

ギアナは宇宙センターやロケットの打ち上げでも有名な国です。赤道に近いところで打ち上げたほうが、地球の自転による遠心力を最大限活用できるからですね。日本でも、より赤道に近い種子島がロケットで有名な理由もこれです。

ギアナの面積は北海道ほどでありながら、その土地のほとんどは広大な熱帯雨林。テレビ番組を見たりしていると、舗装されていないデコボコ道を車で何時間……みたいなのを想像しますが、ホテルまでの道のりは意外とスムーズ。ホテルの人に空港に迎えに来てもらい、1時間ほどで到着しました。

今回宿泊したホテルはジャングルの中にポツンとある、一部屋ずつが離れになっているタイプのロッジ。携帯の電波は事務所のある建物以外は入りませんし、シャワーやトイレは部屋ごとにありますが、お湯は出ません。

そんな快適とは言えないロッジを選んだのは、この宿の立地と虫採りには欠かせないあるサービスです。というのも、このロッジは追加料金を払うことで夜に強力な灯りをつけて虫を集める罠、ライトトラップの道具一式を貸してくれるのです。それも、普段から僕らが使うような持ち運び式のものではなく、発電機と水銀灯を使用したかなり強力なやつです。

また、この国から虫を持ち出すには、日本でいう環境省のようなところに持ち出す種と数を申請する必要があるのですが、その手続きも全てロッジでやってくれます。

虫採りの人の多くが南米での旅行にこの国をオススメするのはこのロッジの存在も大きいと思います。南米の国の多くは自分の国の資源である熱帯雨林と、そこに住む動植物を法律で守っています。そのため、一般人が趣味目的で虫を捕まえることのできる国はそう多くはありません。ギアナにも、緩いとはいえしっかり保護する法律があり、一人が持ち出せる種や数は決められています。当然、今回はフランス政府に許可を取り、法律の範囲内で捕まえました。

ロッジの裏はすぐ熱帯雨林ですので、昼間にはカラフルなチョウが飛び回り夜には巨大な甲虫がライトに集まってくる、最高の環境です。

ここからの12泊は、昼は森を歩いてモルフォチョウを筆頭に様々なチョウを捕まえ、夜はライトトラップで一晩中虫が集まるのを待つ生活が始まります。

ロッジに到着した時にはすでに夕方で、森を散策することはできませんでしたが、さっそくスタッフの人にライトをつけてもらって虫を集めてもらいます。

 

集まった虫はまた次の記事でご紹介します。虫好き憧れの南米ということで、びっくりするような巨大、珍しい昆虫がたくさんお見せできると思います。お楽しみに!

 虫にーにーの台湾旅行 〜夜の虫採り編〜2025/02/11

台湾では、夜はほぼ毎日ライトトラップをしていました。

ライトトラップとは、夜行性の昆虫が光にあつまる習性を利用して、虫のいそうな場所で強力な明かりを照射して虫を採る方法です。日中は隠れていて見つけるのが難しい虫、特にクワガタやガなどを捕まえるのに活躍します。

普段は充電したポータブルバッテリーをライトに繋いで電力を供給したり、本格的な人は発電機を用意したりするのですが、飛行機に乗る都合でそんな大それた方法は取れません。

そのため、今回は強力なライトは日本から持ち込み、電源はレンタカーのシガーソケットから引っ張ってくることにしました。

現地のガイドさんもライトトラップを用意してくれました。発電機と水銀灯を使用しているので眩しさは段違いですね。色々な虫が集まってきますが、そのほとんどはガです。これは台湾でも西表でも一緒ですね。

最初こそ飛翔能力の高いガなどの虫が大量に飛んできますが、時間がたつと大きな虫も飛んできます。飛ぶのが下手な虫、体が重い虫なんかはライトに飛んでくるまでに何度も墜落したりぶつかったりするので、時間がかかるのかもしれません。

たくさんの虫が飛んできて、とても全部は紹介しきれませんが、中でも見る事ができて嬉しかったものをご紹介!

狙いの虫であったミヤマクワガタが飛んできました!

台湾には何種類ものミヤマが住んでいますが、これはタカサゴミヤマクワガタです。「高砂」とは、昔の日本での台湾の呼び名。同じような台湾の別の呼び方で「フォルモサ」というものもありますが、こちらはヨーロッパでの古い呼び方です。台湾の生き物にはタカサゴ〜だったり、学名にフォルモサ、とつくものが多いのはこのためですね。

日本のミヤマクワガタにとても似ていますが、より大きくなるようで、この個体も迫力があります。標高1000メートル以上の山の上に住んでいるようで、そんなに高い山のない西表にはミヤマがいないのも納得です。

 

昼間も見かけたアスタコイデスノコギリクワガタ。

今回の旅で一番よく目にしたクワガタです。台湾では定番のクワガタのようで、毎日のようにライトに飛んできました。山間のコンビニの明かりに向かって飛んできて、ひっくり返っている姿も見かけました。オレンジのクワガタって日本だとほとんどいないんで、新鮮ですね。国産のトカラノコギリクワガタなんかはオレンジっぽいですが、採集は禁止ですからね……

タイワンテナガコガネ!

こちらは名前の通り、手が長い大型のコガネムシ……なのですが、こちらはメスのため、手の長さは普通サイズ。贅沢を言うなら、ぜひオスも見てみたかった!

テナガコガネといえば、日本では天然記念物にもなっている沖縄本島のヤンバルテナガコガネが有名です。テナガコガネは大きくて希少価値が高く成長速度も遅いので、乱獲の対象にならないように法律で守られいるんです。

台湾のこの種も法律で捕まえることは禁止されているので、この虫は当然リリース。姿を見る事ができて感激です。

 

こちらも捕まえてはいけないシェンクリングオオクワガタのメス。どうやら台湾の虫の神様は、僕には採集禁止種のオスは見せてはくれないようです。オスがいたら欲望に負けて持って帰ってしまうと思われているのかな……(笑)

オスは、オオクワガタと言いつつ日本のコクワガタを大きくしたような姿だとよく言われています。見てみたかったです。

 

こんな感じで、色々な昆虫と出会うことができました。特にテナガコガネには人生で初めて生きた姿を見ましたので、大感動です!

石垣と台湾を結ぶ国際線が運行すれば、台湾は西表から最も行きやすい昆虫の楽園になると思います。まだまだ見ていないクワガタ、テナガコガネのオスなんかも次回に狙っていきたいですね!

 

以上、台湾編でした。

 

次回はこの冬の休暇を利用しての海外遠征記をアップしていきますよ。

気になる今年の行き先は〇〇〇〇〇〇〇。ターゲットは世界最大の〇〇〇〇〇〇。

さてどこの何でしょう笑

 

次の更新をお楽しみに〜♪

 

 虫にーにーの台湾旅行 〜昼の虫採り編〜2025/01/20

台湾では観光もそこそこに、昼間は設置した昆虫用トラップの見回り、夜は自前の設備でライトトラップをしていました。

今回は、昼にどうやって虫を採っていたのかをご紹介します。

 

台湾の知り合いに頼んで、前日から昆虫用のトラップを作ってもらいました。いわゆるバナナトラップというもので、レシピは人によって様々ですが、バナナやパイナップルなどのフルーツに焼酎、ドライイーストなどを加えて発酵させることで、樹液に集まる虫を誘き寄せるものです。

このトラップ、フルーツが発酵するまでに数日かかるので、現地に到着してからフルーツを購入していては間に合いません。奄美大島でトラップを仕掛けた際には、あらかじめ用意したバナナを持って行きましたが、とにかく重かったのでもうやりたくありません。台湾に知り合いがいるというのはとてもありがたいことですね。

これをストッキングなどに詰め、木にぶら下げておくと……

写真中央、枝に下がっている黒いやつがトラップです。何かついてますね。虫採り網で揺すって落としてみます。

アスタコイデスノコギリクワガタでした。台湾ではポピュラーなクワガタらしく、昼のトラップでも夜のトラップでも、結構な数がいました。日本のノコギリクワガタとは全然違いますね。

続いてのトラップで採れたのはハナムグリやカナブンの仲間。色とりどりで綺麗です。緑のはキンカナブン、オレンジのはタイワンツノカナブン、青のはナカバヤシツヤハナムグリという名前。これらは全て違う種類の虫です。

しかし、日本のカナブンのように、同じ種でもカラーバリエーションが豊富な場合もあってややこしい。

オレンジ色のタイワンツノハナムグリもそうした中の一種らしく、普通は緑色で、オレンジ色は200頭に1頭ぐらいだそうです。ラッキー。

ハナムグリの仲間はクワガタとは違い、日中に積極的に飛び回り餌を探すので、少し目を離すとまたどこからか集まってきます。

ワリックツノハナムグリ。クワガタのような二股のツノを持ちますが、クワガタのように顎が発達したものではないので、挟むことはできません。ツノの使い道はクワガタと同じで、喧嘩のため。そのツノと長い前脚を使って敵を投げ飛ばすようです。ちなみに、メスにはツノはありません。

このトラップは1週間くらいは効力があるので、旅の初日に仕掛けておけば毎日見回るだけで虫が採れます。使い終わったらトラップの回収は忘れずに。

 

フルーツトラップによる採集以外にも、スウィーピングによるカミキリムシの採集もしました。

スウィーピングとは虫採りの技法の一つで、草むらなどで網を左右に振ることで、そこに隠れている虫をまとめて網にいれてしまう技です。カミキリの場合は5メートル以上ある長い虫採り網を使用し、手の届かない高さの木の葉を網でバサバサ叩くことで、葉の影に隠れているカミキリを網の中に落とす目的で行います。カミキリ、タマムシ、ゾウムシなどの植物の葉を食べる昆虫を採りたい時によく使う方法ですね。とにかく手当たり次第に葉っぱを揺らしてみて数を打つことが多く、何も網に入っていないことは多いですが、網を覗き込んだ時に目当ての昆虫が入っていた時のテンションの上がり方はすごいです。

いくつか、捕まえたカミキリを紹介。

西表島に生息するイツホシシロカミキリに似ていますが、同じシロカミキリ属の仲間です。体の白色は細かな毛の集合でできていて、長く生きていると表面の毛が擦れてしまい、白色が禿げてしまします。

西表島に生息するイワサキキンスジカミキリに似ていますが、同じトホシカミキリ族の仲間です。メタリックな水色が美しいです。

台湾と西表島は距離が近いだけあって、生息しているカミキリの種類は違っても共通する部分も多いです。おかげで、なんとなくの分類は調べなくても見当がつきます。

 

これはさすがに西表にも似た仲間はいないかも?灰色のまだら模様で、木の表面の地衣類に擬態しているのでしょうか?木の幹をトコトコ歩いているところを手で掴みました。

他にも様々なカミキリがいました。やはり島の面積、標高差ともに西表とは桁違いですから、虫の数もこちらの方が圧倒的に多いです。西表ではこんなにポンポンと虫が採れてはくれない印象です。ちなみに、現在西表島で確認されているカミキリの種数は104種ですが、台湾では800種を超えるそうです。

次回に続きます。

 虫にーにーの台湾旅行 〜導入編〜2025/01/08

あけましておめでとうございます!

2025年もカヌーガイド業はそこそこに、まだ出会ったことのない虫を追い求めていこうと思います(笑)

 

 

去る2024年6月。1週間ほど休みを貰い旅行に行ってきました。いや皆さんは薄々お察しの通り、目的は昆虫なんですが……

ゴールデンウィークの果てなき連勤に嫌気が差し、現実逃避のため、前回のマレーシアに続いて海外へ旅立つことにしました。

 

今回の目的地は台湾。治安も良く日本人にも優しい国のようで、初めての海外旅行先としておすすめされることも多いと聞きます。

そしてなにより、距離が近い。というか、近すぎ。西表島からは間に与那国島を挟みつつ200キロしか離れていません。西表島と沖縄本島の距離がおよそ400キロなので、単純な距離だけなら台湾の方が近いです。台湾の高い山の上からなら、天気が良いと与那国、西表、石垣、波照間の各島が目視できるそうです。

 

そんな台湾ですが、気候としては西表島と同じ亜熱帯〜熱帯気候。はるか昔には西表を含む沖縄諸島と地続きだったこともあり、暮らしている生き物にも共通するものが多いです。何を隠そうあのイリオモテヤマネコも、中国大陸と八重山諸島が地続きだった頃に台湾を経由して歩いてきたベンガルヤマネコが由来です。その後の海面上昇により西表島が島として独立した際に取り残されたベンガルヤマネコが、島暮らしの中で独自に進化したのがイリオモテヤマネコだと言われています。実際、発見当初は「イリオモテヤマネコ」という西表島にしかいない独立種とされていましたが、現在では分類上「ベンガルヤマネコ西表島亜種」という扱いが主流になっています。

 

そんな感じで西表島と共通する生き物の多い台湾。いつも島で見ているのと同じような生き物をわざわざ採りに行くのか?と思われそうですが、もちろん似たようなといってもスケールは全然違います。

まず島の面積。西表島の面積はおよそ289平方キロメートルですが、台湾はその125倍、約36000平方キロメートルです。

一番高い山にしても、西表島が古見岳の470メートルに対して、台湾は玉山の3952メートル。文字通り桁が違います。ちなみにこの玉山、昔は新高山と呼ばれ、台湾が日本の統治下にあった戦時中は、富士山を差し置いて日本最高峰の山でした。真珠湾攻撃、そして太平洋戦争開戦の指示となった有名な暗号文「ニイタカヤマノボレ」の新高山ですね。

そんなわけで、台湾の魅力はその広大な面積とおよそ4000メートルの標高差からなる多様な自然と生き物。同じ島でも北と南、低地と高地では自然の種類が異なります。西表島とほぼ同じ緯度の熱帯気候にありながら、山の頂上付近は寒帯のツンドラ気候であり雪も積もるというのですから驚きです。

 

今回の目的は当然昆虫なわけですが、その中でも狙うのはクワガタ、カミキリ、ハナムグリといった甲虫たち。台湾はチョウ大国とも呼ばれるくらいチョウの種数、個体数も多いのですが、今回訪れたのはまだ梅雨も明けきらぬ6月。晴れ間の覗かない日では難しいかもしれません。

 

台湾は地図で見ると西表島のすぐ近くですが、西表から行くにはそれなりに時間がかかります。というのも、コロナ禍以前は存在した石垣〜台湾をつなぐ国際線が現時点では運行していないからですね。そのため、台湾への便が出ている那覇空港まで一度引き返す必要があります。

那覇で一泊の後、朝の飛行機で台湾入り。

台湾は、ピーチ航空から安い便が出ているので便利ですね。

台北、桃園国際空港の気温は24度。意外と涼しい。

 

今回はマレーシアの時とは違い、台湾在住の知り合いの方に案内してもらいました。

現地の事情に詳しい方がいるというのは心の余裕にも繋がりますね。

早速、車に乗って高速道路で南の方角へ。ちなみに、台湾の高速道路は料金所が全くなく、使った道がすべて自動で記録され、料金が引き落とされるようでした。かなりハイテクですね。

向かったのは南投県にある埔里(プーリー)という街。

台湾の中心の山岳部にある街で、亜熱帯気候で湿度の高い森が周囲には広がっています。その環境から、数多くの生き物が生息しており、昆虫観察をする人がよく訪れるそうです。「木生昆虫博物館」という、台湾では有名な昆虫の博物館があるのもこの街です。

途中で少し山に立ち寄り、生き物がいないか見てまわります。

 

台湾のキノボリトカゲでしょうか。いつも見ているサキシマキノボリトカゲより一回り大きいです。台湾にはキノボリトカゲの仲間が複数いるので、見分け方がよくわかりませんが、おそらくスウィンホーキノボリトカゲですかね。西表のトカゲと捕まえ方は一緒で、簡単に尻尾を捕まえることができました。

キゴマダラ。オスとメスで翅の模様が大きく違うチョウですが、これはメスです。

マダラ、とついていますがマダラチョウの仲間ではなくゴマダラチョウ、つまりはタテハチョウの仲間。オオムラサキなんかの親戚ですね。

台湾でも数は少なく、中でもメスは珍しいとのこと。正直、今回の台湾旅行は連日の雨のためチョウはほとんど採れなかったのですが、その数少ない中で当たりを引いたようです。

 

明日以降に備えて、昆虫用のトラップを仕掛けたりもしました。クワガタなんかが集まってくれると嬉しいです。

 

知り合いの人に案内されて、都市部にある昆虫ショップに寄ったりもしました。

子供たちやマニアに人気のカブト、クワガタがペットとして売られています。こういった専門店は子供の頃から何度も訪れていたので、落ち着く光景ですね。

ある程度の年齢の男性なら、誰もが子供の頃には虫を捕まえたり、カブトムシを飼育したりといった経験があると思います。が、そういった昆虫に親しむ文化は日本固有のもので、ヨーロッパなどの諸外国では子供が皆通るような一般的な遊びではない、と聞いたことがあります。こういった専門店があるあたり、台湾ではどうなのでしょうか?

 

夜は、有名な夜市へ行ってきました。虫屋にとって夜は勝負の時間。呑気に観光などしている場合ではないはずなのですが、台湾の夜市での食事は前々からの憧れでした。知り合い曰く、あいにくの雨のため、いつもより屋台の数がかなり少なかったらしいです。いつもはこの駐車場が屋台で埋め尽くされるとのこと。

蚵仔煎(オアチエン)と呼ばれる台湾料理の屋台。牡蠣を使ったオムレツのような料理のようです。卵を使ってはいますが、オムレツとお好み焼きの間みたいな感じで美味しいです。ソースではなく甘辛いチリソースで食べました。

他にも様々な屋台があって目移りしてしまいます。全て食べたいところでしたが、お金にも胃の容量にも限界はあります。他に大鶏排(ダージーパイ)、つまり特大の鶏の唐揚げなど何品か食べて終了。

台湾の屋台を満喫しました。

 

次回に続きます。

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