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 虫にーにー、マレーシアへ行く 〜登山編〜2024/06/20

マレーシアの多様な動植物相を感じるには、とにかくジャングルの中に入らなければ始まらない!

とはいえ、人っこ一人いないような原生林にいきなり単独で入っていくのはさすがに怖い……マレーシアって野生のトラいるし…

ということで、手始めに他の観光客も多く登る、有名っぽい山へジャングルトレッキングに行ってきました。

 

Screenshot

宿泊地タナ・ラタの裏手に鎮座する、Gunung Jasar。Gunungはマレーシア語で「山」という意味なので、ジャサール山、もしくはヤサール山でしょうか。

登山口までは街の中心から歩いて30分ほどと、レンタカーがない人でも簡単にアクセスできる点が人気のようです。

キャメロンハイランドにはこの地図にあるように、番号が割り振られたジャングル・トレイルのルートがいくつもあり、このヤサール山は10番になっているようです。

 

なんてことない住宅街の一番奥に登山口はあります。親切にも看板がありました。

 

極限まで簡略化された道案内の看板。10って……これだけ見たらなんのことやらさっぱり。

ここを登れということのようです。登山客が多い道はそれに合わせて足型ができてしまうのは、西表島だろうとマレーシアだろうと共通のようです。

 

雰囲気が出てきました。

あまり自然に興味のない人からすると「西表島のジャングルと一緒じゃない?」と思われそうですが、よーく観察すると全然違いますよ。

一見して気づくのは、西表と違い、木の幹にコケ植物や着生植物(他の木の上などにくっついて生える植物)が多く見えます。写真でも、木の表面が緑色にもじゃもじゃしているのが伝わりますかね?

ここキャメロンハイランドなどの森は「雲霧林」と呼ばれ、文字通り雲や霧でいつも覆われていて湿度が高い森なのです。

この雲霧林は熱帯の、雲がかかる標高1000メートル以上の山にあることが多いです。最大でも標高500メートルに満たない西表の山では、雲霧林とはならないということですね(とはいえ西表島は本州に比べると湿度は高く、マレーシアほどではないですがコケ植物や着生植物はあります)。

 

こんな植物は野生では初めてみます。ネペンテス、和名はウツボカズラですね。食虫植物の一種で、最近は観葉植物としても売っているので、知っている人も多いかもしれませんね。

細長い袋状の部分に消化液をためます。落とし穴のように袋に落ちてきた虫はツルツルの壁を登ることができず、そのまま溶かされてウツボカズラの栄養になります。

これはさすがに西表のジャングルにもないでしょう。

 

山頂までの所要時間は、普通に歩いて1時間といった所でしょうか。

ガイドとして毎日山を登り続けて7年、体力と山登りのスピードには自信があります。この程度の山は休憩なしで登ったるわ、と意気込んだのはいいものの、標高の高さは大きな誤算。標高1500メートル越えともなるとさすがに息が切れます。身の程を思い知りました。

 

ルート上にいたでっかいヤスデ。30センチくらいある。

 

頂上付近に到着。一番見晴らしがいいのは、頂上の少し手前のこの電波塔の建っているエリア。遠くの山々やタナ・ラタの街を眺めることができます。天気が良くて素晴らしい!

山頂は、電波塔から1分ほど歩いたところ。ヤサール山は標高1704メートルの山らしいです。

外国人観光客の姿もちらほらあります。そこまで大賑わいということはなく、10分に一組が登ってくるくらい。人がいすぎるわけでもなく少なすぎるわけでもない、ちょうどいい混み具合ですね。山頂自体のスペースは広くはなく、いい景色以外は何もないので、皆軽く眺めを堪能した後は戻っていきます。

 

ですが僕は、わざわざ絶景のためだけにここへきたわけではありません。いや景色も素晴らしいけど、もう一つ……

 

 

 

 

 

虫採りだッ!!

アサギマダラの仲間。アサギマダラ自体は西表島にも生息しています。この仲間は海を超えて何千キロも旅をするチョウなので、ここマレーシアに同じ種がいても不思議ではないのですが、いろいろ種類がいて詳しくはよくわからないです。

幼虫時代に毒のある草を食べて、成虫になっても体にその毒を蓄えているため、鳥はこのチョウをわざわざ食べないそう。よって彼らは鳥に狙われる心配などなく悠々と飛んでいるので、捕まえるのは比較的簡単です。

珍しくないやつか……と思いきや、中には毒を持たないくせに、体の色と飛び方をこのチョウに似せて鳥を騙すレア物のアゲハチョウもいるので、騙されずに捕まえましょう。

 

蛾の仲間です。チョウみたいに綺麗ですが、昼間に飛び回るガです。

「綺麗なのがチョウ、地味なのがガ」、「昼に飛ぶのがチョウ、夜はガ」なんていう見分け方をしていると騙されますね。その見分け方で区別できてしまうことも多いのですが、例外も多くいつでも当てになる方法ではありません。

 

ニヌスカザリシロチョウ。これが採りたかった!

カザリシロチョウ類は、子供の頃に誰でも一度は見たことがあるモンシロチョウに近い仲間ですが、この南国らしいド派手な色が特徴。しかもこの色、今見えている翅の裏面の方が表面より美しいとされています。

カザリシロチョウの仲間は日本にはいません。海外に行って、そこでしか見られない虫を見るというのがいいですね。

この仲間は東南アジアに広く分布しており、マレーシアにも何種類もいるようですが、この山では時季のせいか場所のせいか、この一種類だけでした。

 

観光地の山なので、たまに登山客がやってきてはこちらをチラッと見てきます。が、マレーシアは昆虫採集に寛容な国。採った虫を物好きな観光客に売ったり、地元のバタフライパーク(チョウの動物園的な施設)に卸して生計を立てている人もいるくらいなので、文句を言われることはありません。

中には興味を持ったのか、話しかけてくる人もいます。フランス人らしき男性は英語がわからないようでしたが、こちらの絞り出した「パピヨン(フランス語でチョウのこと)」という単語を理解したようで、納得した顔で頷いていました。

 

目的の虫も採れたところで、ぼちぼち帰宅。

熱帯雨林ではいつ強烈なスコールが降るかわからないので、目標を達成したら晴れているうちに帰るのが吉ですね。

 

次回に続きます。

 

 虫にーにー、マレーシアへ行く 〜出発編〜2024/06/14

初めましての方は初めまして。サニーデイの生き物担当、虫にーにー改め、ガイドの船越です。

遡ること数ヶ月、3月の頭に休暇を利用してマレーシアへ行ってきました。今回はその時の様子をレポートしたいと思います。

といっても、観光はほとんどせず、相変わらず山登りと生き物観察しかしてこなかったわけですが……(汗

西表島で毎日のようにトレッキングと生き物観察をしておいて、まだ足りないのかと呆れた声が聞こえてきそうですね。

しかし、同じジャングルでもそこにある植物、生息する動物などは国や島によって多種多様であるわけで、そこの違いを比べるのもまた楽しいのです。今回の僕の主な目的は例に漏れずそこにしかいない独特の昆虫ですが、ヘビやトカゲなどの爬虫類、そして西表島とはまた違うジャングルの中を探検するのも楽しみです。

 

まずは、今回旅をしたマレーシアについて軽く紹介を。

マレーシアはいわゆる東南アジアに位置する国で、ユーラシア大陸から突き出たマレー半島南部と、世界の島の中で第3位の面積を誇るボルネオ島の北部を領土としています。

公用語はマレー語ですが、準公用語として英語もよく使用されているため、観光地ならば英語でも問題なさそうです。英語がほんの少しだけ話せる、という理由で海外からサニーデイのカヌーツアーに参加するゲストはほとんど僕の担当でしたが、おかげで英語力は少し向上したかもしれません。ここにきてその力が役に立ってくれそうです。

治安に関しても、日本ほどではないにしても比較的いいようです。外務省の海外安全ホームページによると、国や地域ごとの危険度の四段階評価のうち、レベル3(渡航中止勧告)とレベル2(不要不急の渡航の中止)が出ているのはボルネオ島にあるサバ州東海岸の一部地域。首都のクアラルンプールをはじめとしてほとんどの地域は危険レベルの対象外です。東南アジアの国の中でも、安全な方らしいです。僕は海外旅行初心者なので、この点はありがたいですね。

自然についても、魅力的な場所がたくさんあります。10ヶ所以上ある国立公園では野生のオランウータン、テングザルなどの動物や、世界最大の花ラフレシアなど、海外ならではの日本とのスケールの違いを見せてくれます。ジャングルクルージングからトレッキングまでツアーも充実しているようですし、美しい海が特徴の観光地ペナン島も大人気。あらゆる場所で、雄大な自然を目にすることが出来ます。

 

そんな数ある素晴らしい観光地やツアーをすべて無視して僕が訪れた場所、それがキャメロンハイランドです。

 

ちなみに今回の旅行は完全に一人旅でした。基本的にガイドや通訳の方はおらず、移動も全てレンタカーを借りて自分での運転です。車の運転に関しては日本と同じ右ハンドル左車線ですが、運転マナーが若干荒いのはなかなかに怖かったです。幸い、事故などはせずに済みました。

 

滞在したタナ・ラタという街。マレーシアというよりヨーロッパっぽい街並みのような気も。ヨーロッパ行ったことないんですけど。

キャメロンハイランドとは、このタナ・ラタの街を主として広がるパハン州の高原リゾートの総称。もともとはイギリスの統治下にあり、当時の国土調査官キャメロンによって発見されたことが由来のようです。その後リゾート地として開発が進み、標高1500メートル以上のため年間を通じて平均気温20度前後と南国のマレーシアにしては過ごしやすいこともあり、今でも避暑地として人気のスポットだそう。

急な斜面を切り拓いた畑で収穫できる茶葉や高原野菜が特産品のようです。

茶畑。斜面が多く茶摘みが大変そう。

 

キャメロンハイランドの概要はこんなところ。観光地のためとりわけ治安も良く、英語も通じる、飲食店も豊富と、海外旅行の目的地としては文句のつけようもないですね。実際にマレーシアは仕事をリタイアした日本人の移住先としても人気。ここキャメロンハイランドで余生を過ごすことを決めた日本人の方も多くいるそうです。

 

ですが、今回はマレーシアにのんびり観光に来たわけでも、日々の仕事の忙しさに嫌気が差して羽を伸ばしにきたわけでもありません。目的はただ一つ。このジャングルのどこかに暮らす昆虫たちです。

キャメロンハイランドはマレーシアのジャングルの一部を切り開いて作った街。少し歩くだけでも簡単にその手付かずの自然にアクセス出来ます。

ジャングルの面積もさることながら、麓は500メートル、山頂は2000メートルと標高の差が激しいことも特徴の一つ。標高が低くて暑いところが好きな生き物、標高が高く涼しいところが好きな生き物とさまざまな種が観察できます。昆虫の数、種類ともに西表島とは桁違いのはず。まだ発見されていない新種なんかもまだまだたくさん隠れているに違いありません。さすがにこの旅行中に自分が新種を見つけられるとは思いませんが……

 

 

今回の狙いは、マレーシアならではの昆虫たちですが、その中でもぜひ見てみたいものをいくつかピックアップ。

 

まずは全ての小学生男子の憧れ、南米に生息するヘラクレスオオカブトと肩を並べるカブトムシ界の2トップ、コーカサスオオカブト。

マレーシアの国蝶で、世界最大の蝶の仲間であるトリバネアゲハの一種、アカエリトリバネアゲハ。

クワガタムシの中でも珍しい金色に輝くジャングルの宝物、オウゴンオニクワガタ。

その姿はまるで木の葉そのもの、かくれんぼ名人のコノハムシ。

 

図鑑や動物園では何度も見たことはあるこれらの昆虫。マレーシアの森の中で彼らと出会うことはきっといい思い出になるはず!なんとしても見てみたい!

 

ということで、彼らに出会えるのかどうかも期待しながら、次回に続きます。

 

 ウミヘビ発見!2023/06/08

カヌーで川を進んでいると、水中を泳ぐ魚を見ることはよくありますが、今日は一味違いました。

 

 

クロガシラウミヘビ…でしょうか。

2メートル近いウミヘビがカヌーの下を悠々と泳いでいました。

 

完全水棲のためカヌーに登ってくることはありませんが、有毒のため注意が必要です。

実はウミヘビってコブラの仲間なので、とても強い神経毒を持つ種も多いんですよね。

総じて攻撃性は低いそうですが、その中でもこのウミヘビは比較的攻撃性もあるようです。沖縄県では過去には噛まれる事故も発生しています。

 

もしツアー中に出会った際は、見守るだけで、触ったりはしないようにお願いしますね。

 

スタッフ  船越

 アオミオカタニシ

 

 

とてもきれいな緑色をした「アオミオカタニシ」。

カタツムリのようですが、名前のとおりタニシの仲間です。タニシといえば田舎の用水路など、水辺にいるイメージですが、ヤマタニシという陸生のものもいるんです。

 

沖縄方言では「おーるーちんなん」。おーるーは「青」、ちんなんは「カタツムリ」の意味です。

やっぱりカタツムリじゃないか。まあ昔の人も、こんなに綺麗なタニシがいるとは考えなかったのでしょう。

 

西表島のジャングル内では雨の日などによく見ることができますが、意外に沖縄県では準絶滅危惧種。鹿児島県内では既に絶滅したといわれている貴重な生き物です。

 

この美しい緑色、殻の色ではなくタニシ本体の色。殻は半透明の乳白色で、体の緑色が透けて見えているんです。

 

雨の日も多い西表ですが、そんな時でもよく観察してみると雨限定の生き物が姿を見せてくれるかもしれませんよ。

 

スタッフ 船越

 イワサキクサゼミの鳴く頃2021/04/27

4月もそろそろ終わり、GW直前。

季節外れの台風のためここしばらくは雨の日が続いていましたが、過ぎ去ってからは気持ちの良い晴れの日も多くなってきました。

新型コロナの影響でなかなか旅行へは行きにくい状況ですが、それでもサニーデイは感染防止対策を入念にしながら元気に営業中です。

 

 

春といえど西表では連日のように気温25度を超え、街を歩く人も皆半袖短パン。本州より一足早く夏へと突入したような気分です。

そこかしこから初夏の訪れを感じさせる、あの生き物の鳴き声が聞こえてきます。

 

イワサキクサゼミ

 

八重山ではよく見るセミですが、大きさは二センチという日本最小のセミです。

この時期にセミというとびっくりされる方も多いと思いますが、西表では3月〜11月まで、様々な種類のセミが鳴いているんです。

 

このセミは、サトウキビやススキといったイネ科の植物の近くに住んでいます。

草原で耳をすませると「ジイーーーーーーー…」という声が聞こえますよ。

 

動画はこちら。

 

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小さい体の割にとても大きな声で鳴いています。

さほど珍しいセミではないので、天気の良い日中なら苦労せず見つけることができるはずです。

 

ちなみに、八重山にはこのイワサキクサゼミの他に「イワサキゼミ」「イワサキヒメハルゼミ」という似た名前のセミも生息していますが、実はこれらは全く別の種類になります。

 

 

余談ですが、セミの他にも八重山には「イワサキ〜〜」という名前の付いた生き物が多いです(以前紹介したイワサキセダカヘビイワサキワモンベニヘビもそう)。

これは明治〜昭和にかけての40年間を石垣島で暮らした気象観測技術者の「岩崎卓爾」さんのためにつけられたもの。

仕事である気象観測のほかに、八重山の生物や民族、歴史について研究していた岩崎さんは、発見した新種の生き物を知り合いの研究者に送っていました。

研究者は貴重な生き物を見つけてくれた彼に敬意を払い、その生き物達に岩崎さんの名前をつけているんですね。

 

 

スタッフ 船越

 右利きのヘビ2020/07/21

「イワサキセダカヘビ見つけたけど」

ある日の夜、ガイド友達からそんな連絡を受けた僕は家を飛び出し現場へ急行。

待ち受けていたのは三年間憧れていたヘビでした。

 

 

 

イワサキセダカヘビ

 

日本で唯一のセダカヘビ属で、石垣、西表の固有種。

そしてカタツムリしか食べないという極度の偏食家でもあります。

 

さらにその特殊な体の構造から「右利きのヘビ」とも呼ばれ、国内では他に類を見ない独自の生態をしています。

腕のないヘビに右利きも左利きもあるんかいな?と思う方もいるでしょうが、その特徴が現れるのは下顎。

 

カタツムリには殻の巻く方向によって「右巻き」「左巻き」に分けられます(殻を外方向へたどる時、時計回りになるのが右巻きです)。

国内に生息しているカタツムリはほぼ全て右巻き。サザエやタニシなどの皆さんがよく目にする巻貝もそうです。

イワサキセダカヘビはその右巻きカタツムリを効率良く食べたいがため、右の歯だけ本数が多くなってしまうという特殊な進化をしました。

 

言葉で説明するのはとても難しいのですが、右巻きのカタツムリをひっくり返して食べる際に歯の多い右顎で肉を抑え左顎で引きずり出す、といった感じです(ヘビの下顎の骨は中央で繋がっていないため、左右で独立して動かすことができます)。

そして左巻きのカタツムリを食べようとしても顎がうまく使えずたいてい失敗してしまうのです。右巻きだけを食べることに特化した専門家ですね。

 

 

 

ここからがさらに面白いところで、進化するのはヘビの方だけではないということ。

 

カタツムリは体の構造上、基本的に右巻きと左巻きではうまく交尾ができず子孫を残すことができません。

そのため突然変異などでたまたま生まれてしまった左巻きのカタツムリは左巻きの性質を後世に残すことなく死んでいきます。

よって全国的にはほぼ全ての種が右巻きなのですが、イワサキセダカヘビの生息する八重山だけは少ないながらも左巻きのカタツムリが一定数いるんです。

 

その理由はやはりこのヘビ。

 

八重山においては左巻きカタツムリはイワサキセダカヘビに食べられにくいという明確なメリットが存在します。

その結果、襲われなかった左巻き同士の出会う確率もわずかに増え、左巻きに進化した新しい「種」が繁栄するのです。

 

イワサキセダカヘビとカタツムリは、お互いがお互いに影響を与えあい進化の加速を促進していると言えますね。

 

カタツムリとセダカヘビの共進化について研究している有名な方の書いた本を読んで以来、このヘビに会える機会を待っていたんです。

とはいえ狙って出会うことなどまずできない幻のヘビ。わざわざ探すこともせず、いつか見つかるだろうとタカをくくっていた僕の前にやっと現れてくれました。

 

 

 

スタッフ 船越

 夏のピナイサーラ2020/07/12

新型コロナウイルスの影響もまだまだ抜けない7月の西表島。

ありがたいことに現在でも西表島の感染者はゼロ。

これも皆様が手洗い、マスク着用を徹底してくれるおかげです。ありがとうございます。

サニーデイも引き続き朝の検温、港でのマスク着用、道具の消毒等の対策を続けてまいります。

 

 

さて、7月に入り西表島は気温が最高潮の34度に達しています。

「34度というとたいしたことない、こっちの夏は41度だぞ!」と歴代最高気温を記録した熊谷の人に怒られてしまいそうですが、じつは西表は内地と比べて著しく気温が高いということはありません。真夏でもだいたいこんなモンです。

 

ではなぜ暑く感じるのか?

それは太陽のパワーが凄まじく、紫外線量も本州の数倍はあるからです。陽を遮るものがないカヌーの上はまるで巨大なオーブンで加熱調理されているかのよう。暑いというより、もはや痛いの域です。

カヌーを降りてトレッキングを始めると一転、亜熱帯のジャングルが日影をつくりとても快適です。

風でも吹こうものなら「あの暑さはどこに行った?」と首を傾げてしまいます。

西表を訪れる際は日焼け対策を万全に。

 

 

しかし美肌の天敵である紫外線まみれの夏も悪いことばかりではなく、トレッキング中はこの時期ならではの光景を見ることができます。

 

 

 

西表島を代表する花、サガリバナ。

一晩しか咲かない「幻の花」で、日が沈むと開花し朝方には散ってしまいます。

 

 

国内では奄美大島から南の島に生えていますが特に西表、石垣の群生地は規模が大きく、毎年花のウワサを知った一部の観光客がこの花を見るために早朝ツアーを申し込みます。

満開に咲いている姿もいいものですが、散ったサガリバナがゆらゆらと川面に浮かんでいる姿も幻想的ですね。

 

 

 

 

 

いつものマングローブを眺めながら、カヌーでピナイサーラへと向かいます。

コロナの影響か例年より空いていますので、のんびり自由に漕ぐことができますね。カヌー初心者の方にはもってこいかもしれません。

 

 

 

 

 

ピナイサーラに到着。

滝つぼに飛び込んで、汗を流しましょう。ここまでトレッキングを頑張った人へのご褒美です。

 

 

 

 

いつもは芋洗い状態の滝つぼも、やはり人は少なめ。

個人的には、このくらいの人数のほうがツアーはやりやすいと思います。都会の喧騒を逃れてわざわざ日本の果てまで来たのに、夏休みの市民プールみたいな滝つぼで泳いでも安らぎませんよね……

 

内地は大雨で大変そうですが、西表はほとんど雨が降っていません。滝の迫力もそこそこ止まりです。

いつもなら台風の一つや二つは来ていてもおかしくないんですが……今年は全然です。このまま雨も降らず台風も来ずでは滝の水量も減り、水不足になってしまうかもしれません。ちょっと心配です。

 

 

まだまだコロナウイルスの影響が懸念されますが、いつもののんびりした西表島の日常が戻るよう、我々もゆっくりとではありますが自分たちにできる仕事を続けていこうと思います。

 

スタッフ 船越

 気持ちよくご参加いただく為に2020/06/13

新型コロナウィルスの感染対策で、ネット注文してたものが毎日届いております。

感染対策としてガイドの出勤毎の検温と手の消毒、皆様をお迎えする送迎車や使用する道具類は徹底消毒に努めております。

送迎車内には除菌ウェットテッシュや除菌ジェルも常備しておりますので、みなさん遠慮せずどんどん使ってくださいね!

 

気になりがちなレンタルシューズは、入念に洗浄した後に希釈した次亜塩素酸ナトリウム水スプレーをして天日干しします。

 

一足先に梅雨明けした沖縄地方。ジリジリ日差しと熱風でシューズもカラッと乾きました♪

 

 日本最大キシノウエトカゲ2020/06/11

西表島は言わずと知れた亜熱帯のジャングル。

ジャングルのロマンといえば珍しい生き物たちですが、もちろん西表にもたくさんの固有種が潜んでいます。

 

特に西表には巨大な生物が多く、以前にもご紹介した日本最大の蛾ヨナグニサン

日本最大どころか陸生の甲殻類では世界最大となるヤシガニなど、どれも出会ったら驚くこと間違いなしです。

 

そんなの中から今日ご紹介するのは、日本最大のトカゲ。

 

 

これがキシノウエトカゲです。

漢字で書くと「岸之上蜥蜴」。八重山諸島と宮古島のみ生息する日本固有種でイリオモテヤマネコなどと同じく国指定の天然記念物です。

 

餌として小さな昆虫やカニ、さらに小型のトカゲなども捕食してしまう獰猛なハンター。

しかしその大きさからヤマネコの餌としてよく食べられているらしく、ヤマネコの糞からこのトカゲの鱗がよく見つかるそうです。

 

そして体長は最大40センチほどで日本最大。

え?そんなに大きくない?

いやいや、尻尾の長さでサイズを稼ぐようなそこいらのトカゲとは重量感が違います。

ガサガサと音を立てて闊歩するその姿はまるで恐竜。実際に目にするとその迫力には驚かされます。

 

 

 

初めてこの名前を聞いたときは、陸の上に棲んでいるのでこの名前なのかなーと思ったのですが「Plestiodon kishinouyei(プレスティオドン キシノウエイ)」という学名を見る限り、どうやら「岸之上」さんの名前が付けられたみたいです。

 

というのも、学名では男性名の語尾に「i (イ)」、女性名なら「ae (アエ)」をつけて、「〜さんの」という意味の名前なります。

moriyai(モリヤイ)なら守屋さん、kazumiae(カズミアエ)なら和美さんの名前がつけられた、というワケです。

 

つまりキシノウエイなら岸之上さんになるんですね。へえ〜〜。

 

ちなみに、学名とは一種類の生物に対して一つだけ与えられる世界共通の呼び名です。日本語で「キシノウエトカゲ」といっても日本人にしか伝わりませんものね。でも学名を使えば、全世界の人に共通して伝えることができます。

そして学名は、かつて古代ローマ帝国で使用されていたラテン語で名付けられています。

今はほぼ使われていないということで、世界中の誰にとっても公平な言語である、今後意味や用法が変化しない、というのが理由だそうです。

 

 

これから夏になるにつれて、西表の生き物たちも活動的になります。

ピナイサーラの滝周辺は生き物の影も多く、ただ歩いているだけでも毎回新しい発見のある楽しいフィールドですよ〜。

 

 

スタッフ 船越

 少しづつですが再開していきます!2020/06/02

6/1より、サニーデイはツアーガイド業務を再開しました!

 

4月から数えて2ヶ月ほど、安易に外出できない日が続きました。

普段の休日ならば天気の良い日は山へ分け入って、生き物探しに邁進する僕ですが自粛中ではそうもいかず…。

家にこもって漫画・ゲーム・インターネットとインドア生活を送っていたので体は鈍りまくり。この3年で日焼けした肌も、インドア派にふさわしい以前の白さに戻りつつあります。

 

仕事が始まったというのに、いざゲストと山に登ったらガイドが先にバテました、ではシャレにならない。

夏に向けて体力を戻すために、まずは西表ナンバーワンの観光スポット、自粛前は毎日通っていたピナイサーラの滝へ今の様子を見に行きます。

 

とても良い天気ですが、まだ他の人はほとんどいません。

 

 

さすがに間が空いてもカヌーの漕ぎ方は体に染み付いているようで安心しました。

川の中を覗くと、数十頭のクロダイの群れが確認できました。

カヌー通りが少なくなって警戒心が薄れたのでしょうか?

 

 

 

沖縄では「ユウナ」とも呼ばれる、オオハマボウの花。

海岸線などによく生えていて、カヌー中も美しい花で皆を楽しませてくれます。

 

 

実に2ヶ月ぶりのカヌー漕ぎのあと滝上へのルートを登り始めたのですが、「ゼーハー。ゼーハー。」ここまで体力が落ちているとは思いませんでした。

荷物なしならばいつも鼻歌交じりに歩けた道のハズでしたが、どうしても息が上がる。

今日は気温32度とかなり暑いのですが、昨年はこの気温の中を大量の荷物を背負いながら進んでいたのです。

やはり、体が鈍っている…徐々に戻していくしかないですね。

 

 

サキシマキノボリトカゲ。

晴れた日の常連、いつものやつ。

 

 

ヤエヤマセマルハコガメ。天然記念物のこのカメが見られるのはなかなか珍しいです。

やはり気温が高いと生き物もよく姿を現しますね。

 

 

 

這々の態で滝上に到着。

 

 

しばらく人が訪れていなかったため、川底はコケなどで滑りやすくなっています。

より一層注意が必要です。

 

 

 

せっかくなので滝の下も。

このくらい暑ければトレッキングで汗をかいた後に、滝つぼ遊びが最高に気持ち良いんですよ。

 

先月末に記録的な大雨が降ったので林道が崩れていないか心配でしたが、目立ったダメージは見受られませんでした。

滝上・滝つぼ共にトレッキングを再開しても大丈夫ですね。

 

これからコロナの影響がどうなるかはわかりませんが、感染状況を見ながら「3密」にならないよう意識して、皆様が安心して快適に楽しめるカヌーツアーを開催していきたいと思っております。

7月8月9月のご予約も受付中です!まずはお気軽にお問い合わせください。

 

スタッフ 船越

 

 

 

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