西表島の大自然やツアー内容をご紹介
日本の端っこ・西表島の日常や島民しか分からないレアな情報も登場するかも!?
アオミオカタニシ2023/06/08
とてもきれいな緑色をした「アオミオカタニシ」。
カタツムリのようですが、名前のとおりタニシの仲間です。タニシといえば田舎の用水路など、水辺にいるイメージですが、ヤマタニシという陸生のものもいるんです。
沖縄方言では「おーるーちんなん」。おーるーは「青」、ちんなんは「カタツムリ」の意味です。
やっぱりカタツムリじゃないか。まあ昔の人も、こんなに綺麗なタニシがいるとは考えなかったのでしょう。
西表島のジャングル内では雨の日などによく見ることができますが、意外に沖縄県では準絶滅危惧種。鹿児島県内では既に絶滅したといわれている貴重な生き物です。
この美しい緑色、殻の色ではなくタニシ本体の色。殻は半透明の乳白色で、体の緑色が透けて見えているんです。
雨の日も多い西表ですが、そんな時でもよく観察してみると雨限定の生き物が姿を見せてくれるかもしれませんよ。
スタッフ 船越
ツアー当日朝、石垣島からご参加予定の皆様へ2021/06/28
7/1〜9/30の間、下記コースに当日朝石垣島からご参加予定の皆様は、7:30発上原港行きフェリーでのご乗船をお願い致します。
・ピナイサーラの滝上下カヌー&トレッキング1日コース
・マングローブカヌーショートコース
・マングローブカヌー&キャニオニング体験コース
・マングローブカヌー&由布島水牛車観光コース
暑さと混雑回避の為、またスムーズなツアー進行の為、夏季は早出をお願いさせて頂いております。何卒ご理解をお願い致します。
尚コロナウィルス感染拡大の状況により、フェリーが減便がされた場合は変更になる可能性がございます。
イワサキクサゼミの鳴く頃2021/04/27
4月もそろそろ終わり、GW直前。
季節外れの台風のためここしばらくは雨の日が続いていましたが、過ぎ去ってからは気持ちの良い晴れの日も多くなってきました。
新型コロナの影響でなかなか旅行へは行きにくい状況ですが、それでもサニーデイは感染防止対策を入念にしながら元気に営業中です。
春といえど西表では連日のように気温25度を超え、街を歩く人も皆半袖短パン。本州より一足早く夏へと突入したような気分です。
そこかしこから初夏の訪れを感じさせる、あの生き物の鳴き声が聞こえてきます。
イワサキクサゼミ
八重山ではよく見るセミですが、大きさは二センチという日本最小のセミです。
この時期にセミというとびっくりされる方も多いと思いますが、西表では3月〜11月まで、様々な種類のセミが鳴いているんです。
このセミは、サトウキビやススキといったイネ科の植物の近くに住んでいます。
草原で耳をすませると「ジイーーーーーーー…」という声が聞こえますよ。
動画はこちら。
小さい体の割にとても大きな声で鳴いています。
さほど珍しいセミではないので、天気の良い日中なら苦労せず見つけることができるはずです。
ちなみに、八重山にはこのイワサキクサゼミの他に「イワサキゼミ」「イワサキヒメハルゼミ」という似た名前のセミも生息していますが、実はこれらは全く別の種類になります。
余談ですが、セミの他にも八重山には「イワサキ〜〜」という名前の付いた生き物が多いです(以前紹介したイワサキセダカヘビ、イワサキワモンベニヘビもそう)。
これは明治〜昭和にかけての40年間を石垣島で暮らした気象観測技術者の「岩崎卓爾」さんのためにつけられたもの。
仕事である気象観測のほかに、八重山の生物や民族、歴史について研究していた岩崎さんは、発見した新種の生き物を知り合いの研究者に送っていました。
研究者は貴重な生き物を見つけてくれた彼に敬意を払い、その生き物達に岩崎さんの名前をつけているんですね。
スタッフ 船越
右利きのヘビ2020/07/21
「イワサキセダカヘビ見つけたけど」
ある日の夜、ガイド友達からそんな連絡を受けた僕は家を飛び出し現場へ急行。
待ち受けていたのは三年間憧れていたヘビでした。
イワサキセダカヘビ
日本で唯一のセダカヘビ属で、石垣、西表の固有種。
そしてカタツムリしか食べないという極度の偏食家でもあります。
さらにその特殊な体の構造から「右利きのヘビ」とも呼ばれ、国内では他に類を見ない独自の生態をしています。
腕のないヘビに右利きも左利きもあるんかいな?と思う方もいるでしょうが、その特徴が現れるのは下顎。
カタツムリには殻の巻く方向によって「右巻き」「左巻き」に分けられます(殻を外方向へたどる時、時計回りになるのが右巻きです)。
国内に生息しているカタツムリはほぼ全て右巻き。サザエやタニシなどの皆さんがよく目にする巻貝もそうです。
イワサキセダカヘビはその右巻きカタツムリを効率良く食べたいがため、右の歯だけ本数が多くなってしまうという特殊な進化をしました。
言葉で説明するのはとても難しいのですが、右巻きのカタツムリをひっくり返して食べる際に歯の多い右顎で肉を抑え左顎で引きずり出す、といった感じです(ヘビの下顎の骨は中央で繋がっていないため、左右で独立して動かすことができます)。
そして左巻きのカタツムリを食べようとしても顎がうまく使えずたいてい失敗してしまうのです。右巻きだけを食べることに特化した専門家ですね。
ここからがさらに面白いところで、進化するのはヘビの方だけではないということ。
カタツムリは体の構造上、基本的に右巻きと左巻きではうまく交尾ができず子孫を残すことができません。
そのため突然変異などでたまたま生まれてしまった左巻きのカタツムリは左巻きの性質を後世に残すことなく死んでいきます。
よって全国的にはほぼ全ての種が右巻きなのですが、イワサキセダカヘビの生息する八重山だけは少ないながらも左巻きのカタツムリが一定数いるんです。
その理由はやはりこのヘビ。
八重山においては左巻きカタツムリはイワサキセダカヘビに食べられにくいという明確なメリットが存在します。
その結果、襲われなかった左巻き同士の出会う確率もわずかに増え、左巻きに進化した新しい「種」が繁栄するのです。
イワサキセダカヘビとカタツムリは、お互いがお互いに影響を与えあい進化の加速を促進していると言えますね。
カタツムリとセダカヘビの共進化について研究している有名な方の書いた本を読んで以来、このヘビに会える機会を待っていたんです。
とはいえ狙って出会うことなどまずできない幻のヘビ。わざわざ探すこともせず、いつか見つかるだろうとタカをくくっていた僕の前にやっと現れてくれました。
スタッフ 船越
夏のピナイサーラ2020/07/12
新型コロナウイルスの影響もまだまだ抜けない7月の西表島。
ありがたいことに現在でも西表島の感染者はゼロ。
これも皆様が手洗い、マスク着用を徹底してくれるおかげです。ありがとうございます。
サニーデイも引き続き朝の検温、港でのマスク着用、道具の消毒等の対策を続けてまいります。
さて、7月に入り西表島は気温が最高潮の34度に達しています。
「34度というとたいしたことない、こっちの夏は41度だぞ!」と歴代最高気温を記録した熊谷の人に怒られてしまいそうですが、じつは西表は内地と比べて著しく気温が高いということはありません。真夏でもだいたいこんなモンです。
ではなぜ暑く感じるのか?
それは太陽のパワーが凄まじく、紫外線量も本州の数倍はあるからです。陽を遮るものがないカヌーの上はまるで巨大なオーブンで加熱調理されているかのよう。暑いというより、もはや痛いの域です。
カヌーを降りてトレッキングを始めると一転、亜熱帯のジャングルが日影をつくりとても快適です。
風でも吹こうものなら「あの暑さはどこに行った?」と首を傾げてしまいます。
西表を訪れる際は日焼け対策を万全に。
しかし美肌の天敵である紫外線まみれの夏も悪いことばかりではなく、トレッキング中はこの時期ならではの光景を見ることができます。
西表島を代表する花、サガリバナ。
一晩しか咲かない「幻の花」で、日が沈むと開花し朝方には散ってしまいます。
国内では奄美大島から南の島に生えていますが特に西表、石垣の群生地は規模が大きく、毎年花のウワサを知った一部の観光客がこの花を見るために早朝ツアーを申し込みます。
満開に咲いている姿もいいものですが、散ったサガリバナがゆらゆらと川面に浮かんでいる姿も幻想的ですね。
いつものマングローブを眺めながら、カヌーでピナイサーラへと向かいます。
コロナの影響か例年より空いていますので、のんびり自由に漕ぐことができますね。カヌー初心者の方にはもってこいかもしれません。
ピナイサーラに到着。
滝つぼに飛び込んで、汗を流しましょう。ここまでトレッキングを頑張った人へのご褒美です。
いつもは芋洗い状態の滝つぼも、やはり人は少なめ。
個人的には、このくらいの人数のほうがツアーはやりやすいと思います。都会の喧騒を逃れてわざわざ日本の果てまで来たのに、夏休みの市民プールみたいな滝つぼで泳いでも安らぎませんよね……
内地は大雨で大変そうですが、西表はほとんど雨が降っていません。滝の迫力もそこそこ止まりです。
いつもなら台風の一つや二つは来ていてもおかしくないんですが……今年は全然です。このまま雨も降らず台風も来ずでは滝の水量も減り、水不足になってしまうかもしれません。ちょっと心配です。
まだまだコロナウイルスの影響が懸念されますが、いつもののんびりした西表島の日常が戻るよう、我々もゆっくりとではありますが自分たちにできる仕事を続けていこうと思います。
スタッフ 船越