西表島の大自然やツアー内容をご紹介
日本の端っこ・西表島の日常や島民しか分からないレアな情報も登場するかも!?
気持ちよくご参加いただく為に2020/06/13
新型コロナウィルスの感染対策で、ネット注文してたものが毎日届いております。
感染対策としてガイドの出勤毎の検温と手の消毒、皆様をお迎えする送迎車や使用する道具類は徹底消毒に努めております。
送迎車内には除菌ウェットテッシュや除菌ジェルも常備しておりますので、みなさん遠慮せずどんどん使ってくださいね!
気になりがちなレンタルシューズは、入念に洗浄した後に希釈した次亜塩素酸ナトリウム水スプレーをして天日干しします。
一足先に梅雨明けした沖縄地方。ジリジリ日差しと熱風でシューズもカラッと乾きました♪
日本最大キシノウエトカゲ2020/06/11
西表島は言わずと知れた亜熱帯のジャングル。
ジャングルのロマンといえば珍しい生き物たちですが、もちろん西表にもたくさんの固有種が潜んでいます。
特に西表には巨大な生物が多く、以前にもご紹介した日本最大の蛾ヨナグニサン。
日本最大どころか陸生の甲殻類では世界最大となるヤシガニなど、どれも出会ったら驚くこと間違いなしです。
そんなの中から今日ご紹介するのは、日本最大のトカゲ。
これがキシノウエトカゲです。
漢字で書くと「岸之上蜥蜴」。八重山諸島と宮古島のみ生息する日本固有種でイリオモテヤマネコなどと同じく国指定の天然記念物です。
餌として小さな昆虫やカニ、さらに小型のトカゲなども捕食してしまう獰猛なハンター。
しかしその大きさからヤマネコの餌としてよく食べられているらしく、ヤマネコの糞からこのトカゲの鱗がよく見つかるそうです。
そして体長は最大40センチほどで日本最大。
え?そんなに大きくない?
いやいや、尻尾の長さでサイズを稼ぐようなそこいらのトカゲとは重量感が違います。
ガサガサと音を立てて闊歩するその姿はまるで恐竜。実際に目にするとその迫力には驚かされます。
初めてこの名前を聞いたときは、陸の上に棲んでいるのでこの名前なのかなーと思ったのですが「Plestiodon kishinouyei(プレスティオドン キシノウエイ)」という学名を見る限り、どうやら「岸之上」さんの名前が付けられたみたいです。
というのも、学名では男性名の語尾に「i (イ)」、女性名なら「ae (アエ)」をつけて、「〜さんの」という意味の名前なります。
moriyai(モリヤイ)なら守屋さん、kazumiae(カズミアエ)なら和美さんの名前がつけられた、というワケです。
つまりキシノウエイなら岸之上さんになるんですね。へえ〜〜。
ちなみに、学名とは一種類の生物に対して一つだけ与えられる世界共通の呼び名です。日本語で「キシノウエトカゲ」といっても日本人にしか伝わりませんものね。でも学名を使えば、全世界の人に共通して伝えることができます。
そして学名は、かつて古代ローマ帝国で使用されていたラテン語で名付けられています。
今はほぼ使われていないということで、世界中の誰にとっても公平な言語である、今後意味や用法が変化しない、というのが理由だそうです。
これから夏になるにつれて、西表の生き物たちも活動的になります。
ピナイサーラの滝周辺は生き物の影も多く、ただ歩いているだけでも毎回新しい発見のある楽しいフィールドですよ〜。
スタッフ 船越
少しづつですが再開していきます!2020/06/02
6/1より、サニーデイはツアーガイド業務を再開しました!
4月から数えて2ヶ月ほど、安易に外出できない日が続きました。
普段の休日ならば天気の良い日は山へ分け入って、生き物探しに邁進する僕ですが自粛中ではそうもいかず…。
家にこもって漫画・ゲーム・インターネットとインドア生活を送っていたので体は鈍りまくり。この3年で日焼けした肌も、インドア派にふさわしい以前の白さに戻りつつあります。
仕事が始まったというのに、いざゲストと山に登ったらガイドが先にバテました、ではシャレにならない。
夏に向けて体力を戻すために、まずは西表ナンバーワンの観光スポット、自粛前は毎日通っていたピナイサーラの滝へ今の様子を見に行きます。
とても良い天気ですが、まだ他の人はほとんどいません。
さすがに間が空いてもカヌーの漕ぎ方は体に染み付いているようで安心しました。
川の中を覗くと、数十頭のクロダイの群れが確認できました。
カヌー通りが少なくなって警戒心が薄れたのでしょうか?
沖縄では「ユウナ」とも呼ばれる、オオハマボウの花。
海岸線などによく生えていて、カヌー中も美しい花で皆を楽しませてくれます。
実に2ヶ月ぶりのカヌー漕ぎのあと滝上へのルートを登り始めたのですが、「ゼーハー。ゼーハー。」ここまで体力が落ちているとは思いませんでした。
荷物なしならばいつも鼻歌交じりに歩けた道のハズでしたが、どうしても息が上がる。
今日は気温32度とかなり暑いのですが、昨年はこの気温の中を大量の荷物を背負いながら進んでいたのです。
やはり、体が鈍っている…徐々に戻していくしかないですね。
サキシマキノボリトカゲ。
晴れた日の常連、いつものやつ。
ヤエヤマセマルハコガメ。天然記念物のこのカメが見られるのはなかなか珍しいです。
やはり気温が高いと生き物もよく姿を現しますね。
這々の態で滝上に到着。
しばらく人が訪れていなかったため、川底はコケなどで滑りやすくなっています。
より一層注意が必要です。
せっかくなので滝の下も。
このくらい暑ければトレッキングで汗をかいた後に、滝つぼ遊びが最高に気持ち良いんですよ。
先月末に記録的な大雨が降ったので林道が崩れていないか心配でしたが、目立ったダメージは見受られませんでした。
滝上・滝つぼ共にトレッキングを再開しても大丈夫ですね。
これからコロナの影響がどうなるかはわかりませんが、感染状況を見ながら「3密」にならないよう意識して、皆様が安心して快適に楽しめるカヌーツアーを開催していきたいと思っております。
7月8月9月のご予約も受付中です!まずはお気軽にお問い合わせください。
スタッフ 船越
この魚は?2020/04/02
カヌーの途中、干潟に寄って一休み。
ミナミコメツキガニ君たちはいつも元気だなー。
なんて観察してると…
ちっこいのが泳いでる…
なんだこの魚?
とりあえず捕まえてみた。
危ない生き物かもしれないのに、先に手が出てしまうのは生き物屋の性ですなぁ・・
扇状に広がった胸ビレは「ホウボウ」という魚を彷彿とさせますが、ホウボウの特徴である、カニの足のように広がる腹ビレはない。
どちらさま?
ゲストと一緒に首をかしげます。
家に帰って調べると「アヤトビウオ」というトビウオの子供みたい。
たしかにトビウオも立派な胸ビレ持ってるけど、子供の頃はこんなにカラフルなんだなー。
銀色のイメージしかなかったよ。
スタッフ 船越
西表島チョウ図鑑22020/03/07
前回に引き続き、チョウの紹介です。
この前はアゲハチョウの仲間を紹介しましたので、今回はマダラチョウ、タテハチョウの仲間から。
マダラチョウもタテハチョウも「鱗翅目タテハチョウ科」というグループの近い仲間ですが、それぞれ「タテハチョウ亜科」、「マダラチョウ亜科」に属しています。
昆虫といえば脚は6本あるものですが、タテハチョウは前脚が退化し短くなっているため見かけは4本脚です。この脚は歩くことには役立ちませんが、味を感じることができるため食事の前に脚で触って味見をする仕草を見せるそうです。
至近距離まで近づく必要はありますが、慣れれば簡単にタテハチョウを見分けることができますね。
コノハチョウ
沖縄のタテハチョウ代表格といえばコレで、沖縄県指定の天然記念物でもあります。名前の由来はもちろん、誰が見てもわかる木の葉の形。驚くことに葉の葉脈、虫食い穴まで再現されていて、鳥などの天敵から身を守るため隠蔽擬態だとされています。気の幹に止まる時は必ず下を向いて、地面と垂直になるように「木の葉のポーズ」。徹底していますね。
コノハチョウは枯葉のような翅の裏側が有名ですが、以外と見る機会の少ない表側がこちら。同じチョウとは思えない綺麗な翅です。
天気の良い日には、日当たりの良い場所で翅を広げて止まるコノハチョウを観察することができます。これはタテハチョウの仲間の多くに見られる縄張りアピールの行動です。しかし翅を大きく広げるために自慢の枯葉模様が役に立っていない、それどころか派手な色で襲ってくれと言っているようなものです。
でも大丈夫。鳥に狙われたコノハチョウはすぐさま飛び立ち、森の中で「木の葉のポーズ」。逃げ去った「青とオレンジの派手なチョウ」を探している鳥には見つけられるはずがありません。うまく考えたものです。
リュウキュウムラサキ
これもタテハチョウ。西表島だけでなく、北海道を除く全国各地で目撃例がありますが、こちらも東南アジア、フィリピン、インドネシアなとが原産の迷蝶です。台風や季節風の多い5月から11月頃によく見ることができ、大きさは8センチから10センチくらい。
かなり広い範囲に生息するチョウですが、出身地から大きく五つに分けられ、それぞれ「大陸型」、「台湾型」、「フィリピン型」、「赤斑型」、「海洋島型」となっています。
翅の模様などが違うので、よく観察するとこのリュウキュウムラサキがどこから飛んできたのかを調べることができます。この写真に写っているのは台湾型でしょうか?
このチョウは寒いところでは成長できません。海を越えてやってきたチョウが子孫を残すことはありますが、基本的に冬を越すことができないため定着はしていないそうです。
ヤエヤマムラサキ
こちらのマダラチョウはいわゆる「迷蝶」。元々は東南アジアに生息するチョウです。翅を広げた時の大きさは8センチくらい。
季節風や台風の風に乗って飛来し、西表島では秋ごろに多く観察できますが、寒い冬を越すことができないので西表島に定着はできないとされています。
またこのチョウは、子育てをするチョウとも言われています。
「オオイワガネ」という木を見つけるとその葉に卵を産み、母親はその卵に覆いかぶさるようにして守ります(写真にある黄色いつぶつぶは全て卵)。
この体勢になるとちょっとやそっとでは動かず、こんなに近くで写真を撮っても逃げる事はありません。
なぜこのようなことをするのか、詳しいことはわかっていませんが、このチョウは故郷の東南アジアでは毒のあるチョウに似ていることもあり、覆い被さることで鳥などから卵を守ることができるから、とも言われています。
一方のマダラチョウも前脚は退化しています。しかしパタパタと素早く飛び回るタテハチョウと違い、マダラチョウの飛翔はパラグライダーのように非常にゆっくりとした風に乗るような動き。じつはマダラチョウの幼虫の餌の多くは毒草。そのため成虫になってもその毒を溜め込んでいるマダラチョウは、鳥から逃げ回るために素早く飛ぶ必要はないんです。
オオゴマダラ
八重山を代表するチョウで、翅を広げた大きさは大人の手のひらくらいと日本では最大のマダラチョウです。春から秋まで、ほぼ一年中見ることができます。
飛翔ははとてもゆっくり、貫禄のあるのんびりした飛び方です。
蛹は美しい金色で、金運アップの縁起物とされています。
西表島の有名な観光スポット、由布島ではこのオオゴマダラを繁殖しており、特設のビニールハウスの中で放し飼いにされたチョウを一年を通して観察することができます。
もちろん黄金の蛹や、ちょっと気持ち悪い色の幼虫も見ることができます。興味のある方はぜひ由布島に足を運んでみてください。
リュウキュウアサギマダラ
西表島では最もよく見るマダラチョウかもしれません。一年中観察することができ、天気の良い日は冬でもその姿を見ることができます。
白黒の地味な模様と思いきや、薄くはいった水色がワンポイントな、沖縄らしいチョウですね。翅を広げると、大きさは8センチくらいです。
このチョウの仲間には、よく似た模様ですが台湾、フィリピンなどから飛んできた迷蝶も多いので、いつものリュウアサ(リュウキュウアサギマダラの略。蝶の愛好家はこう呼ぶ)とスルーしていると、とんでもない珍蝶だったりということも。
慣れてくると飛び方を見るだけでわかるそうですが、僕はじっくり翅の模様を見ないとわかりません。
本州にはマダラチョウはほとんど生息していませんが、一種類だけ「アサギマダラ」というリュウキュウアサギマダラに名前の似たチョウがいます。このチョウは長い旅をすることで知られていて、夏の間は本州で過ごし、秋になると暖かい場所を求めて時には1500kmも南下することがあります。
西表島にも集団で渡ってくることがあり、数十から百頭ほどの群れで飛び回っていたという観察例もあります。
今回ご紹介したのはアゲハチョウと比べると地味で知名度の低いタテハチョウ・マダラチョウたちですが、独特な生態を持つものが多い種でもあります。
まだまだ紹介したいチョウはたくさんいるのですが、本業であるカヌーガイドを放り投げて昆虫写真家に転職するわけにもいかないので今回はこのへんで笑
皆さんもあちこちでチョウの乱舞する西表島を訪れて、一足先に春の到来を感じてみませんか?
スタッフ 船越