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 虫にーにーの台湾旅行 〜昼の虫採り編〜2025/01/20

台湾では観光もそこそこに、昼間は設置した昆虫用トラップの見回り、夜は自前の設備でライトトラップをしていました。

今回は、昼にどうやって虫を採っていたのかをご紹介します。

 

台湾の知り合いに頼んで、前日から昆虫用のトラップを作ってもらいました。いわゆるバナナトラップというもので、レシピは人によって様々ですが、バナナやパイナップルなどのフルーツに焼酎、ドライイーストなどを加えて発酵させることで、樹液に集まる虫を誘き寄せるものです。

このトラップ、フルーツが発酵するまでに数日かかるので、現地に到着してからフルーツを購入していては間に合いません。奄美大島でトラップを仕掛けた際には、あらかじめ用意したバナナを持って行きましたが、とにかく重かったのでもうやりたくありません。台湾に知り合いがいるというのはとてもありがたいことですね。

これをストッキングなどに詰め、木にぶら下げておくと……

写真中央、枝に下がっている黒いやつがトラップです。何かついてますね。虫採り網で揺すって落としてみます。

アスタコイデスノコギリクワガタでした。台湾ではポピュラーなクワガタらしく、昼のトラップでも夜のトラップでも、結構な数がいました。日本のノコギリクワガタとは全然違いますね。

続いてのトラップで採れたのはハナムグリやカナブンの仲間。色とりどりで綺麗です。緑のはキンカナブン、オレンジのはタイワンツノカナブン、青のはナカバヤシツヤハナムグリという名前。これらは全て違う種類の虫です。

しかし、日本のカナブンのように、同じ種でもカラーバリエーションが豊富な場合もあってややこしい。

オレンジ色のタイワンツノハナムグリもそうした中の一種らしく、普通は緑色で、オレンジ色は200頭に1頭ぐらいだそうです。ラッキー。

ハナムグリの仲間はクワガタとは違い、日中に積極的に飛び回り餌を探すので、少し目を離すとまたどこからか集まってきます。

ワリックツノハナムグリ。クワガタのような二股のツノを持ちますが、クワガタのように顎が発達したものではないので、挟むことはできません。ツノの使い道はクワガタと同じで、喧嘩のため。そのツノと長い前脚を使って敵を投げ飛ばすようです。ちなみに、メスにはツノはありません。

このトラップは1週間くらいは効力があるので、旅の初日に仕掛けておけば毎日見回るだけで虫が採れます。使い終わったらトラップの回収は忘れずに。

 

フルーツトラップによる採集以外にも、スウィーピングによるカミキリムシの採集もしました。

スウィーピングとは虫採りの技法の一つで、草むらなどで網を左右に振ることで、そこに隠れている虫をまとめて網にいれてしまう技です。カミキリの場合は5メートル以上ある長い虫採り網を使用し、手の届かない高さの木の葉を網でバサバサ叩くことで、葉の影に隠れているカミキリを網の中に落とす目的で行います。カミキリ、タマムシ、ゾウムシなどの植物の葉を食べる昆虫を採りたい時によく使う方法ですね。とにかく手当たり次第に葉っぱを揺らしてみて数を打つことが多く、何も網に入っていないことは多いですが、網を覗き込んだ時に目当ての昆虫が入っていた時のテンションの上がり方はすごいです。

いくつか、捕まえたカミキリを紹介。

西表島に生息するイツホシシロカミキリに似ていますが、同じシロカミキリ属の仲間です。体の白色は細かな毛の集合でできていて、長く生きていると表面の毛が擦れてしまい、白色が禿げてしまします。

西表島に生息するイワサキキンスジカミキリに似ていますが、同じトホシカミキリ族の仲間です。メタリックな水色が美しいです。

台湾と西表島は距離が近いだけあって、生息しているカミキリの種類は違っても共通する部分も多いです。おかげで、なんとなくの分類は調べなくても見当がつきます。

 

これはさすがに西表にも似た仲間はいないかも?灰色のまだら模様で、木の表面の地衣類に擬態しているのでしょうか?木の幹をトコトコ歩いているところを手で掴みました。

他にも様々なカミキリがいました。やはり島の面積、標高差ともに西表とは桁違いですから、虫の数もこちらの方が圧倒的に多いです。西表ではこんなにポンポンと虫が採れてはくれない印象です。ちなみに、現在西表島で確認されているカミキリの種数は104種ですが、台湾では800種を超えるそうです。

次回に続きます。

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