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虫にーにー、マレーシアへ行く 〜出発編〜2024/06/14
初めましての方は初めまして。サニーデイの生き物担当、虫にーにー改め、ガイドの船越です。
遡ること数ヶ月、3月の頭に休暇を利用してマレーシアへ行ってきました。今回はその時の様子をレポートしたいと思います。
といっても、観光はほとんどせず、相変わらず山登りと生き物観察しかしてこなかったわけですが……(汗
西表島で毎日のようにトレッキングと生き物観察をしておいて、まだ足りないのかと呆れた声が聞こえてきそうですね。
しかし、同じジャングルでもそこにある植物、生息する動物などは国や島によって多種多様であるわけで、そこの違いを比べるのもまた楽しいのです。今回の僕の主な目的は例に漏れずそこにしかいない独特の昆虫ですが、ヘビやトカゲなどの爬虫類、そして西表島とはまた違うジャングルの中を探検するのも楽しみです。
まずは、今回旅をしたマレーシアについて軽く紹介を。
マレーシアはいわゆる東南アジアに位置する国で、ユーラシア大陸から突き出たマレー半島南部と、世界の島の中で第3位の面積を誇るボルネオ島の北部を領土としています。
公用語はマレー語ですが、準公用語として英語もよく使用されているため、観光地ならば英語でも問題なさそうです。英語がほんの少しだけ話せる、という理由で海外からサニーデイのカヌーツアーに参加するゲストはほとんど僕の担当でしたが、おかげで英語力は少し向上したかもしれません。ここにきてその力が役に立ってくれそうです。
治安に関しても、日本ほどではないにしても比較的いいようです。外務省の海外安全ホームページによると、国や地域ごとの危険度の四段階評価のうち、レベル3(渡航中止勧告)とレベル2(不要不急の渡航の中止)が出ているのはボルネオ島にあるサバ州東海岸の一部地域。首都のクアラルンプールをはじめとしてほとんどの地域は危険レベルの対象外です。東南アジアの国の中でも、安全な方らしいです。僕は海外旅行初心者なので、この点はありがたいですね。
自然についても、魅力的な場所がたくさんあります。10ヶ所以上ある国立公園では野生のオランウータン、テングザルなどの動物や、世界最大の花ラフレシアなど、海外ならではの日本とのスケールの違いを見せてくれます。ジャングルクルージングからトレッキングまでツアーも充実しているようですし、美しい海が特徴の観光地ペナン島も大人気。あらゆる場所で、雄大な自然を目にすることが出来ます。
そんな数ある素晴らしい観光地やツアーをすべて無視して僕が訪れた場所、それがキャメロンハイランドです。
ちなみに今回の旅行は完全に一人旅でした。基本的にガイドや通訳の方はおらず、移動も全てレンタカーを借りて自分での運転です。車の運転に関しては日本と同じ右ハンドル左車線ですが、運転マナーが若干荒いのはなかなかに怖かったです。幸い、事故などはせずに済みました。
滞在したタナ・ラタという街。マレーシアというよりヨーロッパっぽい街並みのような気も。ヨーロッパ行ったことないんですけど。
キャメロンハイランドとは、このタナ・ラタの街を主として広がるパハン州の高原リゾートの総称。もともとはイギリスの統治下にあり、当時の国土調査官キャメロンによって発見されたことが由来のようです。その後リゾート地として開発が進み、標高1500メートル以上のため年間を通じて平均気温20度前後と南国のマレーシアにしては過ごしやすいこともあり、今でも避暑地として人気のスポットだそう。
急な斜面を切り拓いた畑で収穫できる茶葉や高原野菜が特産品のようです。
茶畑。斜面が多く茶摘みが大変そう。
キャメロンハイランドの概要はこんなところ。観光地のためとりわけ治安も良く、英語も通じる、飲食店も豊富と、海外旅行の目的地としては文句のつけようもないですね。実際にマレーシアは仕事をリタイアした日本人の移住先としても人気。ここキャメロンハイランドで余生を過ごすことを決めた日本人の方も多くいるそうです。
ですが、今回はマレーシアにのんびり観光に来たわけでも、日々の仕事の忙しさに嫌気が差して羽を伸ばしにきたわけでもありません。目的はただ一つ。このジャングルのどこかに暮らす昆虫たちです。
キャメロンハイランドはマレーシアのジャングルの一部を切り開いて作った街。少し歩くだけでも簡単にその手付かずの自然にアクセス出来ます。
ジャングルの面積もさることながら、麓は500メートル、山頂は2000メートルと標高の差が激しいことも特徴の一つ。標高が低くて暑いところが好きな生き物、標高が高く涼しいところが好きな生き物とさまざまな種が観察できます。昆虫の数、種類ともに西表島とは桁違いのはず。まだ発見されていない新種なんかもまだまだたくさん隠れているに違いありません。さすがにこの旅行中に自分が新種を見つけられるとは思いませんが……
今回の狙いは、マレーシアならではの昆虫たちですが、その中でもぜひ見てみたいものをいくつかピックアップ。
まずは全ての小学生男子の憧れ、南米に生息するヘラクレスオオカブトと肩を並べるカブトムシ界の2トップ、コーカサスオオカブト。
マレーシアの国蝶で、世界最大の蝶の仲間であるトリバネアゲハの一種、アカエリトリバネアゲハ。
クワガタムシの中でも珍しい金色に輝くジャングルの宝物、オウゴンオニクワガタ。
その姿はまるで木の葉そのもの、かくれんぼ名人のコノハムシ。
図鑑や動物園では何度も見たことはあるこれらの昆虫。マレーシアの森の中で彼らと出会うことはきっといい思い出になるはず!なんとしても見てみたい!
ということで、彼らに出会えるのかどうかも期待しながら、次回に続きます。