西表島の大自然やツアー内容をご紹介
日本の端っこ・西表島の日常や島民しか分からないレアな情報も登場するかも!?
虫にぃにぃのツアーが八重山日報に掲載されました。2025/07/10
虫にーにー、南米で巨大昆虫に遭遇!2025/06/23
今回は巨大昆虫特集です!
南米といえば巨大昆虫、巨大昆虫といえば南米。子供達と、子供心を忘れ損なった一部の大人を惹きつける魔力が南米のジャングルにはありますね。有名どころでいえば、世界最大のカブトムシであるヘラクレスオオカブトは南米出身です。
では、滞在中に出会った巨大な昆虫をまとめてご紹介します!
まずはコレ。
世界一翅が長いガ、ナンベイオオヤガです。手の大きさと比べるとどれほど大きいのかが一目で分かりますね。
翅の面積での世界最大のガはオーストラリアにいるヘラクレスサンですが、こちらは翅を広げた長さ、つまり前翅開長で世界最大のガです。この個体はライトトラップに飛んできたものですが、バナナを使ったトラップにも引っかかりました。
西表島にいるヨナグニサンというガもかなり大きく、初めて見た時はびっくりしたものですが、こいつもそれに劣らず大きいです。
リボンヤママユの仲間です。尾状突起(翅の後ろに伸びたヒラヒラの部分)の長さは世界最長級。このヒラヒラは、コウモリに攻撃された時にオトリとして使う意味があるようで、実際に飛んできたこのガの多くはヒラヒラが破けて短くなっていました。
世界最大級のアリ、サシハリアリ。学名からパラポネラ、刺された時の痛みから英語ではバレットアント(弾丸アリ)とも呼ばれています。
大きさは3センチほど。ですがその痛みは強烈らしく、あらゆるアリ、ハチの中で一番痛いとも言われています。手の上に乗せて大きさが伝わる写真が撮りたかったんですが、刺されると24時間は治らないというその痛み。手に乗せる勇気はありませんでした。
世界最大のカミキリムシ、タイタンオオウスバカミキリ!今回の旅行中で一番嬉しかったのが、この虫を見つけたことです!
純粋な大きさでは同じく南米にいるオオキバウスバカミキリに次ぐ二位の大きさですが、顎を除いた胴体の大きさでは世界最大。ちなみに、この胴体の大きさだけなら、あの有名なヘラクレスオオカブトを抜いて甲虫最大の大きさだったりもします。
ギアナはこのカミキリが安定して採れる場所です。とはいえその数は少なく、1週間滞在して一回見られたらいいかなといった感じですが。シーズン的にも雨季である1月がベストで、わざわざ雨の多く蝶が飛びづらいこの時期に来たのは、コイツが最大の目標だったからです。
このタイタンは13センチほどと、タイタンの中ではやや小さめ。最大で16センチを超えるものもいるようです。
裏側はちょっと苦手な人が多いかもしれませんね……
このカミキリムシはギアナでも貴重な虫。1人で1匹しか持って帰ることができません。とはいえ、今回の旅行の最大の目的だった虫をゲットできたので、ほっと肩の荷が降りた気分でした。
巨大カミキリその2。ウスバカミキリの仲間です。
こいつもなかなかの大きさです。西表島にも日本最大級のカミキリムシがいますが、それよりも大きいです。
こちらは世界で一番重いカブトムシの仲間、アクテオンゾウカブトです。名前の通り象のような体重と迫力のあるカブトムシ。標本になってなおずっしりと重い感触が伝わってきます。
僕の世代は、子供の頃が「ムシキング」というアーケードゲームのブーム真っ只中で、男の子の間では社会現象になるほど流行りましたから、当時はまさか憧れていた巨大カブトムシをこの手で採る時が来るとは思ってもいませんでした。感無量です。
昆虫ではないですが、ついでもう一つ。世界最大のクモ、ルブロンオオツチグモ。日本ではペットとしてゴライアスバードイーターという名前で流通していたりもします。要はタランチュラですね。
しっかり毒グモなので、噛まれないように注意が必要です。また、危険を感じると腹の毒毛をこすり落として風に乗せて攻撃もしてきます。この毛が目や鼻に入ると激痛らしいです。
雄大なアマゾン川の森、日本ではお目にかかれないような巨大昆虫がたくさん見つかりました。
次回は、美しいモルフォチョウを筆頭に、昼間に捕まえたチョウをご紹介したいと思います。
虫にーにー、ついに憧れの南米へ!2025/06/05
今年の1月、2月にとった冬休みで、ついに子供の頃から憧れだった南米のアマゾン川流域へ行ってきました!
とはいっても、よくテレビで特集されるような広い川、原住民、ピラニア、といった感じとは少し違います。同じアマゾンでもブラジル、ペルーといった国ならばそういった経験もできますが、今回訪れたのは仏領ギアナという国。
仏領ギアナ、フレンチギアナと呼ばれることもある南米の国ですが、ほとんどの人は聞いたことがないと思います。検索しても、日本人が訪れたブログなどはほとんどヒットしません。ただこの国は虫好きの中では割と有名で、南米で虫を見るならまずここ、とオススメする人も多いです。
実際、南米大陸にありながらフランスの海外県という扱いですから、南米の他の国より物価は高いですが治安はいいです。とてもお手軽にとは行きませんが、海外旅行の初心者が南米のいろいろな昆虫に出会うにはもってこいの国です。
今回も、例年と同じように有休を使い、社長にゴマを擦りながらお願いしまくることで3週間の休みを生み出しました。その休みを利用して、せっかく憧れのアマゾンに行くのに短期間ではもったいない合計12泊の滞在を決意。社会人になって毎年数週間の休みが取れることに感謝。夏の間で必死に働いたかいがありました。
出発日、まずは石垣島から東京に出る必要があります。
ギアナまでの飛行機はパリ経由のものがあるので、乗り換えも楽です。楽とはいえ、東京からパリまで15時間、そこから飛行機を乗り換えて仏領ギアナの首都カイエンヌまで7時間ですから、人生で一番長い旅路となりました……。
首都、カイエンヌの空港に到着。石垣空港くらいの大きさで、意外とキレイでしっかりしています。
ギアナは宇宙センターやロケットの打ち上げでも有名な国です。赤道に近いところで打ち上げたほうが、地球の自転による遠心力を最大限活用できるからですね。日本でも、より赤道に近い種子島がロケットで有名な理由もこれです。
ギアナの面積は北海道ほどでありながら、その土地のほとんどは広大な熱帯雨林。テレビ番組を見たりしていると、舗装されていないデコボコ道を車で何時間……みたいなのを想像しますが、ホテルまでの道のりは意外とスムーズ。ホテルの人に空港に迎えに来てもらい、1時間ほどで到着しました。
今回宿泊したホテルはジャングルの中にポツンとある、一部屋ずつが離れになっているタイプのロッジ。携帯の電波は事務所のある建物以外は入りませんし、シャワーやトイレは部屋ごとにありますが、お湯は出ません。
そんな快適とは言えないロッジを選んだのは、この宿の立地と虫採りには欠かせないあるサービスです。というのも、このロッジは追加料金を払うことで夜に強力な灯りをつけて虫を集める罠、ライトトラップの道具一式を貸してくれるのです。それも、普段から僕らが使うような持ち運び式のものではなく、発電機と水銀灯を使用したかなり強力なやつです。
また、この国から虫を持ち出すには、日本でいう環境省のようなところに持ち出す種と数を申請する必要があるのですが、その手続きも全てロッジでやってくれます。
虫採りの人の多くが南米での旅行にこの国をオススメするのはこのロッジの存在も大きいと思います。南米の国の多くは自分の国の資源である熱帯雨林と、そこに住む動植物を法律で守っています。そのため、一般人が趣味目的で虫を捕まえることのできる国はそう多くはありません。ギアナにも、緩いとはいえしっかり保護する法律があり、一人が持ち出せる種や数は決められています。当然、今回はフランス政府に許可を取り、法律の範囲内で捕まえました。
ロッジの裏はすぐ熱帯雨林ですので、昼間にはカラフルなチョウが飛び回り夜には巨大な甲虫がライトに集まってくる、最高の環境です。
ここからの12泊は、昼は森を歩いてモルフォチョウを筆頭に様々なチョウを捕まえ、夜はライトトラップで一晩中虫が集まるのを待つ生活が始まります。
ロッジに到着した時にはすでに夕方で、森を散策することはできませんでしたが、さっそくスタッフの人にライトをつけてもらって虫を集めてもらいます。
集まった虫はまた次の記事でご紹介します。虫好き憧れの南米ということで、びっくりするような巨大、珍しい昆虫がたくさんお見せできると思います。お楽しみに!
虫にーにーの台湾旅行 〜夜の虫採り編〜2025/02/11
台湾では、夜はほぼ毎日ライトトラップをしていました。
ライトトラップとは、夜行性の昆虫が光にあつまる習性を利用して、虫のいそうな場所で強力な明かりを照射して虫を採る方法です。日中は隠れていて見つけるのが難しい虫、特にクワガタやガなどを捕まえるのに活躍します。
普段は充電したポータブルバッテリーをライトに繋いで電力を供給したり、本格的な人は発電機を用意したりするのですが、飛行機に乗る都合でそんな大それた方法は取れません。
そのため、今回は強力なライトは日本から持ち込み、電源はレンタカーのシガーソケットから引っ張ってくることにしました。
現地のガイドさんもライトトラップを用意してくれました。発電機と水銀灯を使用しているので眩しさは段違いですね。色々な虫が集まってきますが、そのほとんどはガです。これは台湾でも西表でも一緒ですね。
最初こそ飛翔能力の高いガなどの虫が大量に飛んできますが、時間がたつと大きな虫も飛んできます。飛ぶのが下手な虫、体が重い虫なんかはライトに飛んでくるまでに何度も墜落したりぶつかったりするので、時間がかかるのかもしれません。
たくさんの虫が飛んできて、とても全部は紹介しきれませんが、中でも見る事ができて嬉しかったものをご紹介!
狙いの虫であったミヤマクワガタが飛んできました!
台湾には何種類ものミヤマが住んでいますが、これはタカサゴミヤマクワガタです。「高砂」とは、昔の日本での台湾の呼び名。同じような台湾の別の呼び方で「フォルモサ」というものもありますが、こちらはヨーロッパでの古い呼び方です。台湾の生き物にはタカサゴ〜だったり、学名にフォルモサ、とつくものが多いのはこのためですね。
日本のミヤマクワガタにとても似ていますが、より大きくなるようで、この個体も迫力があります。標高1000メートル以上の山の上に住んでいるようで、そんなに高い山のない西表にはミヤマがいないのも納得です。
昼間も見かけたアスタコイデスノコギリクワガタ。
今回の旅で一番よく目にしたクワガタです。台湾では定番のクワガタのようで、毎日のようにライトに飛んできました。山間のコンビニの明かりに向かって飛んできて、ひっくり返っている姿も見かけました。オレンジのクワガタって日本だとほとんどいないんで、新鮮ですね。国産のトカラノコギリクワガタなんかはオレンジっぽいですが、採集は禁止ですからね……
タイワンテナガコガネ!
こちらは名前の通り、手が長い大型のコガネムシ……なのですが、こちらはメスのため、手の長さは普通サイズ。贅沢を言うなら、ぜひオスも見てみたかった!
テナガコガネといえば、日本では天然記念物にもなっている沖縄本島のヤンバルテナガコガネが有名です。テナガコガネは大きくて希少価値が高く成長速度も遅いので、乱獲の対象にならないように法律で守られいるんです。
台湾のこの種も法律で捕まえることは禁止されているので、この虫は当然リリース。姿を見る事ができて感激です。
こちらも捕まえてはいけないシェンクリングオオクワガタのメス。どうやら台湾の虫の神様は、僕には採集禁止種のオスは見せてはくれないようです。オスがいたら欲望に負けて持って帰ってしまうと思われているのかな……(笑)
オスは、オオクワガタと言いつつ日本のコクワガタを大きくしたような姿だとよく言われています。見てみたかったです。
こんな感じで、色々な昆虫と出会うことができました。特にテナガコガネには人生で初めて生きた姿を見ましたので、大感動です!
石垣と台湾を結ぶ国際線が運行すれば、台湾は西表から最も行きやすい昆虫の楽園になると思います。まだまだ見ていないクワガタ、テナガコガネのオスなんかも次回に狙っていきたいですね!
以上、台湾編でした。
次回はこの冬の休暇を利用しての海外遠征記をアップしていきますよ。
気になる今年の行き先は〇〇〇〇〇〇〇。ターゲットは世界最大の〇〇〇〇〇〇。
さてどこの何でしょう笑
次の更新をお楽しみに〜♪
虫にーにーの台湾旅行 〜昼の虫採り編〜2025/01/20
台湾では観光もそこそこに、昼間は設置した昆虫用トラップの見回り、夜は自前の設備でライトトラップをしていました。
今回は、昼にどうやって虫を採っていたのかをご紹介します。
台湾の知り合いに頼んで、前日から昆虫用のトラップを作ってもらいました。いわゆるバナナトラップというもので、レシピは人によって様々ですが、バナナやパイナップルなどのフルーツに焼酎、ドライイーストなどを加えて発酵させることで、樹液に集まる虫を誘き寄せるものです。
このトラップ、フルーツが発酵するまでに数日かかるので、現地に到着してからフルーツを購入していては間に合いません。奄美大島でトラップを仕掛けた際には、あらかじめ用意したバナナを持って行きましたが、とにかく重かったのでもうやりたくありません。台湾に知り合いがいるというのはとてもありがたいことですね。
これをストッキングなどに詰め、木にぶら下げておくと……
写真中央、枝に下がっている黒いやつがトラップです。何かついてますね。虫採り網で揺すって落としてみます。
アスタコイデスノコギリクワガタでした。台湾ではポピュラーなクワガタらしく、昼のトラップでも夜のトラップでも、結構な数がいました。日本のノコギリクワガタとは全然違いますね。
続いてのトラップで採れたのはハナムグリやカナブンの仲間。色とりどりで綺麗です。緑のはキンカナブン、オレンジのはタイワンツノカナブン、青のはナカバヤシツヤハナムグリという名前。これらは全て違う種類の虫です。
しかし、日本のカナブンのように、同じ種でもカラーバリエーションが豊富な場合もあってややこしい。
オレンジ色のタイワンツノハナムグリもそうした中の一種らしく、普通は緑色で、オレンジ色は200頭に1頭ぐらいだそうです。ラッキー。
ハナムグリの仲間はクワガタとは違い、日中に積極的に飛び回り餌を探すので、少し目を離すとまたどこからか集まってきます。
ワリックツノハナムグリ。クワガタのような二股のツノを持ちますが、クワガタのように顎が発達したものではないので、挟むことはできません。ツノの使い道はクワガタと同じで、喧嘩のため。そのツノと長い前脚を使って敵を投げ飛ばすようです。ちなみに、メスにはツノはありません。
このトラップは1週間くらいは効力があるので、旅の初日に仕掛けておけば毎日見回るだけで虫が採れます。使い終わったらトラップの回収は忘れずに。
フルーツトラップによる採集以外にも、スウィーピングによるカミキリムシの採集もしました。
スウィーピングとは虫採りの技法の一つで、草むらなどで網を左右に振ることで、そこに隠れている虫をまとめて網にいれてしまう技です。カミキリの場合は5メートル以上ある長い虫採り網を使用し、手の届かない高さの木の葉を網でバサバサ叩くことで、葉の影に隠れているカミキリを網の中に落とす目的で行います。カミキリ、タマムシ、ゾウムシなどの植物の葉を食べる昆虫を採りたい時によく使う方法ですね。とにかく手当たり次第に葉っぱを揺らしてみて数を打つことが多く、何も網に入っていないことは多いですが、網を覗き込んだ時に目当ての昆虫が入っていた時のテンションの上がり方はすごいです。
いくつか、捕まえたカミキリを紹介。
西表島に生息するイツホシシロカミキリに似ていますが、同じシロカミキリ属の仲間です。体の白色は細かな毛の集合でできていて、長く生きていると表面の毛が擦れてしまい、白色が禿げてしまします。
西表島に生息するイワサキキンスジカミキリに似ていますが、同じトホシカミキリ族の仲間です。メタリックな水色が美しいです。
台湾と西表島は距離が近いだけあって、生息しているカミキリの種類は違っても共通する部分も多いです。おかげで、なんとなくの分類は調べなくても見当がつきます。
これはさすがに西表にも似た仲間はいないかも?灰色のまだら模様で、木の表面の地衣類に擬態しているのでしょうか?木の幹をトコトコ歩いているところを手で掴みました。
他にも様々なカミキリがいました。やはり島の面積、標高差ともに西表とは桁違いですから、虫の数もこちらの方が圧倒的に多いです。西表ではこんなにポンポンと虫が採れてはくれない印象です。ちなみに、現在西表島で確認されているカミキリの種数は104種ですが、台湾では800種を超えるそうです。
次回に続きます。